東洋はり医学会の一般社団法人化にあたり ご挨拶
時はまさに春たけなわ、会員の皆様にはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
当会の法人化は創立者福島弘道先生の夢であり、当時から何度か試みました。様々な事情で実現ができませんでしたが、機会が揃い、平成30年4月18日に当会は一般社団法人となりましたことをここにご報告させていただきます。
法人化した暁にはこれまでの任意団体とは異なり、社会的地位は一段と拡充されます。当会が真髄とする脉診流経絡治療、片方刺しによる相剋調整が公に認められることになります。その結果、他の鍼灸団体や一般患者からの信頼度が増強し我々会員においても自信と誇りを持って勉学や治療に専念することができると信じております。
さて新会長として今後の会運営を考えるとき、「民主自主公開」を厳守し理事会を重視して、新理事と共に会員の為ひいては患者の為に慎重審議を重ねていく所存であります。もちろんこれまで同様、理事会の模様はホームページに掲載し、透明性の高い理事会を堅持します。
来年の創立60周年を目前に、今後の当会の目的について申し上げます。
もちろん目標は当会創立以来からある綱領の趣旨遂行でありますが、今後の私のビジョンとして3つのキーワードを掲げたいと思います。
1 治病力の向上と治療院経営力の強化
病気を治す力の向上は治療家にとって必要不可欠な条件であります。学術部と指導部をひとつに
まとめ、基本理論・基礎技術を踏まえた上で技術のカリキュラムを強化し、真に病苦除去の実力ある鍼灸師を育成指導しなければなりません。
また治療院の経営力の強化は、せっかく体得した技術を治療院繁栄に生かさなければ意味がありません。それには経営顧問のアドバイスを受け経営力を身に付けることが重要であります。
2 退会者を減らし入会者を増やす
退会者を減らすには学術の充実強化が必須要件であります。魅力ある技術指導を提供いたします。
また入会者を増やすことは、脉診流経絡治療の啓蒙活動に他なりません。会員を各県1支部以上を目標にいたします。
3 啓発と伝承
脉診流経絡治療の普及啓蒙活動は当会会員の義務であります。新しい広報部を立ち上げ当会を他の学術団体や患者、国内はもちろん全世界に広く知らしめていくことに力を注ぎます。そしてこの素晴らしい脉診流経絡治療を、子々孫々の世まで伝えていくことに努力を惜しみません。
以上、3つが私の目指す信念であります。これらを旗印に会の運営を進めて参ります。
最後に会の目指す精神として直受直行の精神、愛会精神、検校精神を遵守し、精力善用、自他共栄の精神を心がけていく所存であります。
昨今、鍼灸院には癌で患っている人・認知症・糖尿病や高血圧で悩んでいる人・指定難病にかかっている人等、慢性痼疾・難症を訴える患者が殺到致しております。これに対し現代医学は対症療法の域を脱し得ません。この現代医学の不可能を可能にするのは東洋医学、脉診流経絡治療の他はございません。我々一般社団法人 東洋はり医学会の会員全てがこれに対処しうる技を身に付け、悩める多くの患者を救ってまいります。
会員皆様方はもとより、鍼灸界の皆様の絶大なるご協力をお願い申し上げる所存でございます。
一般社団法人 東洋はり医学会 会長 谷内 秀鳳
平成30年4月18日