大分支部(40周年)特別講習会の報告
去る10月23・24日、JR九州ホテルブラッサム大分において東洋はり医学会副会長、鹿住晴広先生をお迎えして大分支部講習会を開催致しました。
鹿住先生より、まずは何よりも基本を続けていく事が大切。臨床に繋がらないと思いがちだが、ここを外れると実力はつかない。基本を遵守した上で、臨床経験の中で各々の特性が出てくることが正しいスジである、という話が最初にあり、その後の講演や実技の中でも、基本的な話、そこから繋がる臨床的な話へと、鹿住先生の長年の研究、臨床経験で培われた様々な知識と技術から多くのご指導を頂きました。
講演は「背部虚実の診方とその処置」でした。経絡治療の大前提「虚実を弁え補シャする」を理解するには、鍼や灸で脈状が良くなる、皮膚の状態が良くなる、ということを支部員皆が分かり合う事が大切であり、それには臨床経験の長い支部員が多く在籍している大分支部の恵まれた環境を生かして、初心者の支部員はぜひ先輩の経験を生かし、何か疑問に思ったとしても素直な心を持って、まずは先輩の真似をしていくことが大切である。また自分なりに経絡治療をどう勉強し実力をつけていくか、については昔の講義テープを参考にし、おもしろいと思ったものは自分で追試、研究していくことも大切であるとのお話を頂きました。
実技の中では、講演内容の実際を詳しくご披露頂き、てい鍼の使い方、温灸の使い方、適応側や証決定のポイント等をご指導頂きました。基本刺鍼や取穴では、いかに力を抜くか、気を動かすか。支部員によってバラつきがあるので、基本を外れずにもっと支部員皆が共通理解していけるように、との指導を頂きました。
大分支部は来年で発足40周年を迎えます。今回の講習会はその節目の記念にふさわしい大変有意義な2日間となりました。遠方よりお越しいただき、丁寧なご指導を下さいました鹿住先生には心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
以下、二日間のタイムスケジュールです。
1日目:10月23日(日)
11:00~11:30 講師会場到着
11:30~12:00 開講式 司会:多田真由美
12:00~13:00 昼食
13:00~14:00 講演「背部虚実の診方とその処置」鹿住晴広
14:00~14:15 休憩
14:15~15:45 実技1 基本刺鍼
15:45~17:15 実技2 背部虚実の診方とその処置
18:30~20:30 懇親会
2日目:10月24日(月)
7:30~ 8:30 朝食
9:00~10:20 実技3 取穴
10:20~10:30 休憩
10:30~12:00 実技4 小里方式
12:00~13:00 昼食
13:00~14:00 治験発表 司会:古中俊
1 牧 結花 「手のしびれに対する経絡治療」
2 橋本 守 「睡眠障害に対する経絡治療」
14:00~15:00 臨床質問会 司会:坂本初廣
15:00~15:30 閉講式 司会:多田真由美
15:30 閉講