月と人のからだ
月は、昔から様々な言い伝えがあり、良くも悪くも「神秘の存在」として祀られてきました。月の光は恋人達の想いを一層強めたり、また反対に、狼男のように人間を変えたりもします。
実際、満月近くになると「むくみやすい」だとか「食欲がわく」等の症状が現れたり、精神的に「イライラする」「人恋しい」「テンションがあがる」などと感じることがあります。これは、少なからず人間が月の影響を受けているからだと思われます。
人や動物が月の影響を受けやすい理由は、月と生命の誕生にあるようです。
一説によると、月は原始の地球に地球の半分ほどの微惑星が衝突した時に、吹き飛ばされた地球の岩盤によってできたとの事。その時から生じた、月と地球と太陽の間の引力は、地球に潮汐現象を引きおこします。
そして荒海の中で物質と物質が偶然に合体し、この時、地球に初めて、自ら分裂し増殖するものが現れました。最初の生命です。
やがて海で生まれた生命は、多種多様な形の生物へと進化します。
進化の過程で陸に上った動物は、太古の海の成分を体内に持ち込みました。血液中の成分は、太古の海の塩分濃度に近いと言われます。だとすると母なる海が月の影響を受け続けてきたのと同じ様に、人を含めた動物が、月の満ち欠けに何らかの影響を受けるのは、自然なことだと思われます。
地球の表面の80%は水分で20%が固体です。人間の体も割合も全くこれと同じ割合でできています。ですから、人間の体も海水の潮汐現象と同様な現象が体内でも起こり、人間の心理や行動に変化を与えています。
中国最古の医書である『黄帝内経』にも次のような文があります。
「月が満ちる時、気血は充実して、筋肉は丈夫になる。月が欠けている時、筋肉は弱くなり、経絡の気血も少なくなり、衛気(えいき)も去り、形骸(けいがい)だけになる。」
伝統的な鍼灸が効くのは、自然の理に則した治療法だからだと思います。(佐藤)
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