新型コロナと地下鉄サリンを結ぶ日野原先生の言葉
連日、新型コロナウイルスの報道が流れていますが…今年は地下鉄サリン事件から25年とのニュースが3月20日にありました。ただ、新型コロナ感染防止のため、事件を語り継ぐ集会は延期されたそうです。
地下鉄サリン事件と言うと、ある方を思い出します。あの日、大量の患者対応をされた聖路加国際病院院長の日野原重明先生です。
もう何十年前も前になりますが…学生時代、聖路加系のホスピスで事務当直をしているときに、日野原先生とお話する機会があり事件の話になりました。
日野原先生「君ぃ、なんであの時、聖路加にサリンの解毒剤があったと思うかね?」
私「あ、そう言えば普段なら無いものですよね…。いや全く何も思いつきません。」
日野原先生「それはねぇ、戦争を経験してるからだよ…。僕はねぇ、その前の松本サリン事件が起きたときに”これが東京で起きないとは断言できない”と用意をさせたんだよ。」
私「はあ、戦争経験ですか…。それはどうにも経験無いですね。」
日野原先生「もちろん戦争経験などはない方が良い事だよ。でもね君ぃ、世の中には思いもよらない事が起きる。そうした時に戦争の経験があると、万が一に備えた行動がとれる事もあるんだよ。」
今、世界中で新型コロナウイルスとの戦争がおきています。
トランプ大統領は2月には「新型コロナ感染は民主党によるデマだ。」としていました。しかし、今やアメリカは世界最大の感染者数で、フランスやドイツに輸送予定のマスクを事前にアメリカが買収し横取りしたとの報道…。
そして、そのフランスは北欧に輸送される途中のマスクを、自国内のマスクはすべて政府のものとするとして、やはり接収したとか(その後、感染が深刻化しているイタリアやスペインに送られたとの報道はありました)…。
これらのニュースは平時には起こらないでしょう。
国内では一斉休校→外出禁止令→緊急事態宣言…となっています。でも結局は諸外国と違い自粛要請であるため、全国で感染者が増え続けています。特に首都東京はあっと言う間に感染者数が、初期にクラスターが生じていた北海道や大阪等を抜いてしまいました。
戦後最大のテロ事件と言われる地下鉄サリン事件は負傷者約6300人、死者は14人。
一概に比べる事ではないですが、新型コロナの国内感染者数は地下鉄サリン事件の同日の
3月20日(金)では
感染者950人 死者33人
地下鉄サリン事件の負傷者とほぼ並んだのは
4月12日(日)
感染者6748人 死者98人
一ヶ月しない間に感染者は約7倍、死者は約3倍です。
4月15日(水)
厚労省の専門家チームの発表では、何も対策を取らなかった場合の推計で
約40万人
と発表されました。欧米のデータを元としてるそうなので、実際はこれより低いと思いますけれどショッキングな数値と言えるでしょう
日野原先生は2017年に105歳でお亡くなりになられましたけれど、仮にいまの状態をご覧になったら
「これは戦争状態といえるね。あるいはテロや戦争よりも酷いかもしれないよ。」
そんなことを言われる気が致します
(yasu yasu)
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