“一割”の鍼灸師になるために

高橋 祐太 はり・きゅう 慈雨治療院

高橋 祐太

鍼灸学校に入学した日に校長に言われたのは「この中で鍼灸師として生きていけるのは一割です」という衝撃的な言葉でした。21歳で資格を取得し、鍼灸整骨院に就職しましたが、この先自分が鍼灸を生業としていくためには「核」となる物がなければ生き残れないと思い、東洋はり医学会に入会しました。25歳で開業して実感したのは、「鍼灸師は孤独な職業だ」と言う事。基本的に全て独りで患者さんを診察・治療しなければなりません。自らが行った手技手法が正しいかどうか、確認するすべがない人がほとんどだと思います。入会する事により、日本全国の会員と同じ治療法を共有する事ができます。悩みや疑問をぶつければ、誠心誠意答えてくれる場所ができた事が、自分にとって大きな支えになりました。

東洋はり医学会は、前述の“一割”の集まりです。鍼とお灸と、自らの腕だけで生きていく為の“学と術”を、皆様と一緒に学んでいけたら嬉しいです。